男性妊活と男性ホルモンは切っても切れない関係にあるとの情報を一度は見たことがあるのではないでしょうか?
しかし、男性妊活は最近になって浸透してきた言葉。
具体的にどんな風に男性ホルモンが役立つのか、どのように妊活を進めればいいのか悩みますよね。
今回は男性妊活における男性ホルモンの重要性とホルモンレベルを高める具体的な方法を合わせて紹介していきます。
男性妊活も女性の妊活と同じくらい重要なので、自分に合った進め方を見つけていきましょう。
目次
男性妊活にテストステロンが重要な3つの理由
男性妊活について調べてみると、"テストステロンを高めるのが重要"という文章を良く目にしますよね
でも、実際のところテストステロンが妊活成功にどう関係しているのかわからない‥という方も多いことでしょう。
ここからは男性妊活において”なぜテストステロン値を高めることが重要なのか”を徹底的に紹介していきたいと思います!
1.精子の製造に不可欠
まず、テストステロンとは睾丸で作られる男性ホルモンのこと。
主に、逞しい骨格や男性らしい声、または頼りがいのある性分など”男性らしさを引き出すホルモン”でもあります。
男性妊活にも重要と言われるのは、睾丸で作られるので精子の製造にも大きく影響するから。
テストステロンが精子の質や量を左右するといっても過言ではありません。
健全な男性であれば精液1mlあたりに約1600万個以上の精子があると言われています。
しかし、1600万個を下回ってしまうと欠乏精子症と診断され不妊の原因にもなるとのデータも。[出典]
妊活成功には睾丸内で精子を多く作ることも1つの重要な条件です。
そのため、精子の製造にかかわるテストステロンの分泌量が妊活においても重要視されているのです。
ベルギーの生殖医療センターが行った精子数が500万以下の不妊男性を対象にテストステロンと精液濃度の関係性についての研究を行っています。[出典]
結果、テストステロン値が低い男性ほど精液濃度も低かったとのこと。
やはり、テストステロンは精子の製造に欠かせないホルモンのため、妊活成功のためにもホルモンレベルを高める努力が必要だと言えるでしょう。
2.男性の性的な興奮の源
「最も性的な興奮が強かったのはいつですか?」
と聞かれたとき、おそらく多くの男性が10代から20代前半と答えると思います。
比べて30代になった今、性的興奮が弱くなり悩むことも多いのではないでしょうか?
実は、男性の性的な欲求を司っているのもテストステロンなのです。
10代は二次性徴もあり、テストステロン量が爆発的に増える時期。
なので、性的欲求も特に強いんですね。
性的興奮が起きるメカニズムとしては、テストステロンが脳内で別の物質に変化するときに性的興奮を司る部位が活性化しやすくなるというところまでは分かっています。
ただ、テストステロン以外にも性的欲求を引き起こす要素はあるため、テストステロンがどのように性的欲求を掻き立てるかは完全には解明されていません。
とはいっても、多くの研究においてもテストステロンの低下が性的欲求や自慰行為の頻度の低下も引き起こすことが証明されているのも事実。[出典]
特に30代になると、性的欲求が低下することで妊活に苦痛を感じやすくなる方が結構多いんです。
妊活には、性行為の回数を重ねることも成功の秘訣。
妊活への苦痛を少しでも取り除く意味でも、テストステロンの向上には意欲的に取り組んだ方がいいと言えるんですね。
3.男性勃起能力の基礎
テストステロンは、精子の質や性欲だけでなく男性活力も支えるホルモン。
近年では、男性更年期(以下LOH)という言葉も耳にするようになり、その原因がテストステロン値の低下であることも周知の事実となってきたと思います。
LOHには、うつや苛立ちなど心身的な影響だけでなく、ひどくなると男性機能不全にもつながるといった見解もあるのです。[出典]
LOHを引き起こすとされるのは総テストステロン値が300-320ng/dL。[出典]
そして、勃起不全はLOHの基準値よりもさらに低いテストステロン値150-200ng/dL未満になると引き起こされると言われています。[出典]
また、勃起不全とテストステロンの関係性についての研究では、ED患者20~40%のテストステロンレベルが低い傾向にあったとの結果も示されました。[出典]
勃起力は妊活成功には欠かせない要素。
男性機能に悩みがある方は特にテストステロンレベルを上げるための努力が不可欠だと言えます。
【30代必見】テストステロンを高める10の方法
ここからは、テストステロンを高めるための具体的な方法を10選紹介します。
妊活成功のために、何を頑張ればいいのか悩んでいる人は必見です‥!
1.HIITを意識して身体を追い込む
テストステロンレベルを上げるためには定期的な運動がおすすめです。
筋肉にはテストステロンの受容体が多く存在しており、運動によって受容体が刺激されます。
すると、身体はより多くのテストステロンを必要としていると思いこむため分泌量が増加する、という仕組みなんですね。
そのため、大きな筋肉を効率的に鍛えるトレーニングでもテストステロンの向上は十分に期待が出来るとされています。
中でも、HIITは効率的にテストステロンを高める運動としてイチオシ。
HIITとは、高強度インターバルトレーニング(High Intensity Interval Training)のことで、高強度の運動とわずかな休憩をはさみながら行う運動を指します。
実際に、90秒間のトレッドミルと40分ほど軽い運動でリカバリーを促したHIITと45分間の連続運動でどちらがテストステロンを高めるのかという比較実験がありました。
テストステロン値がより上がったのはHIITだったという結果に。[出典]
ただし、運動のしすぎはテストステロンを低下させてしまうことになるため注意が必要です。
テストステロンは過度な運動で、筋骨への生成へと使われてしまうため低下してしまいます。
その証拠に、フルマラソンの大会に短いスパンで出場し続けている人は、テストステロン値が下がり続けてしまうとのデータもあるほど。[出典]
ランニングであれば月に150kmほどに抑えるように心がけましょう。
また、HIITの場合でも毎日30分ぶっ続けでしてしまうと、テストステロンが減少してしまう可能性が考えられるので、適度な運動が吉と言えますよ。
2.PFCバランスを整え、テストステロンが作られやすいカラダに
テストステロンを増やすためには、栄養も重要です!
テストステロンは体内で作られるホルモンですが、何もないところから作り出されるわけではありません。
特に必要とされる栄養素は脂質(コレステロール)。
よく筋トレをしている方はタンパク質を多く摂り、糖質や脂質は抑えがちにしています。
しかし、脂質が不十分だとテストステロンを多く生成することができません。
ただ、脂質は太りやすいと思っている方も多いのではないでしょうか?
本当のところ、脂質は適量であれば太ることはないんですよ。
脂質というのは、炭水化物やタンパク質に比べて1gあたりで変換されるエネルギー量がとても多い栄養素。(炭水化物・タンパク質は4kcal/1gですが脂質は9kcal/1g)
言い換えると、エネルギー効率がいいので蓄えられやすい栄養なんですね。
そのため、多く取り過ぎるとその分体の中に蓄積されてしまうため、脂質=太りやすいと感じるのだと思います。
脂質は男性ホルモンのなどの生成に必要不可欠である他にも、細胞膜を作るなどの働きをする大切な栄養素。
なので、エネルギーの源となる炭水化物・タンパク質・脂質のバランス(PFCバランス)を整えつつ、運動量などに合わせて微調整を行うことが大切です。
PCFバランスを簡単に計算できるツールもあるため、食生活の見直しをする手始めに使ってみるのもおすすめですよ。
3.ストレスを解消しコルチゾールを整える
テストステロンの分泌量を高めるには、ストレスコントロールも不可欠であることを知っていますか?
実は、ストレスが多いと分泌されるコルチゾールはテストステロンを抑えてしまうことが分かっています。
実際の臨床試験でもコルチゾールの分泌量が増えることで、テストステロンの分泌量が減ってしまうという結果も確認されています。
そして、覚えておいてほしいのは精神的なストレス以外にも最大酸素摂取量60%以上の運動でもコルチゾールが増えてしまうということ。[出典]
最大酸素摂取量60%以上の運動とは、通常の心拍数を平均的な70拍/分としたとき30代であれば約140拍/分ほどの運動。[出典]
ランニングでいえば、話ながら走ることが難しいくらいのきつさです。
アメリカで行われた実験では、安静時と最大酸素摂取量60%以上の運動後(ランニングやサイクリングなど)のコルチゾールとテストステロン量を比較しています。
すると、コルチゾールは安静時は229nmol/Lだったのが、運動後には596nmol/Lと増えたのに対して、総テストステロン量は16.3nmol/Lから14.6nmol/Lへと減ったとの結果が示されたのです。[出典]
ストレス解消には、リズム性の運動なども効果的です。
心地よさを感じるくらいの運動でうまくストレス解消し、テストステロンの分泌量を減らさない状態を保つようにしましょう。
4.日光浴を行い体内のビタミンDを増やす
「テストステロンを高めるには運動が良い」とは言っても、毎日が忙しくて自分時間がなかなか取れない人も多いのではないでしょうか?
そんな方には、日光浴がおすすめです。
テストステロン増加と密接に関連する栄養の1つがビタミンD。
ビタミンDの生成方法は、紫外線を浴びることなんです。
毎日15分の日光浴でも十分なビタミンDを作り出すことができると言われています。
ある研究では、経口でも、日光浴でも、ビタミンDを摂取することでテストステロンの増強に役立つとの結果が確認されているので、どちらを採用してもいいでしょう。[出典]
また、イスラエルにて行われた研究では、驚くことにテストステロンが強い月があることがわかりました。[出典]
主に、春から徐々にテストステロン値は上昇し、7月・8月にピークを迎えるそう。
以上の結果は日照時間の長さと合致するため、いかに日光から得るビタミンDがテストステロン上昇に関係があるのかわかると思います。
日光浴は少し外に出る時間を増やすだけで手軽にできてしまう習慣。
天気の良い日は、ランチタイムの15分ほどでも日光浴を行い、最低限のビタミンDの産出を促してみてはいかがでしょうか?
5.十分な長さと質の睡眠を取る
ここまで、テストステロンの生成を促すための方法を紹介してきました。
ですが、テストステロンがどのタイミングで分泌されているかは知っているでしょうか?
ズバリ!分泌される時間帯は、睡眠中。
つまり、睡眠時間の減少や質が低下するとダイレクトにテストステロンの低下に繋がってしまうのです。
実際に、アメリカの研究では8時間睡眠を継続していた被験者を1週間5時間睡眠に変更させたところ、15%もテストステロンが低下したという結果が確認されています。[出典]
加齢によってもテストステロンは年に1~2%ほど低下するのにも関わらず、睡眠時間でこれだけ大幅に減少するとなると重大な問題ですよね。
さらに、睡眠の質もテストステロンに影響するとの報告も。[出典]
睡眠を削る人は、寝ることに不自由を感じている場合が多いと思います。
日光浴や運動は睡眠の質を上げることにもつながるため、テストステロンを高める習慣を取り入れつつ、睡眠にも関心を向けてみましょう!
6.エストロゲンのような働きをする成分の摂取を避ける
テストステロンを高めるために食事改善をする際、気をつけなければいけないことがあります。
それは、女性ホルモンの体内量を増やさないこと。
実は、男性の体内にも微量ながらに女性ホルモンは存在します。
また、体内で女性ホルモン的な働きをする存在もいるんですね。
ただ、女性ホルモンを増やすようなものを口にしてしまうと、男性ホルモンの働きを抑制してしまうことにもつながるため注意が必要です。
中でも、最近話題になっているのがBPA。
ビスフェノールAという化合物でプラスチックの一種であるポリカーボネート、エポキシ樹脂の原料として使用されています。
「なんだ、食べ物には入っていないのか」なんて安心はできませんよ。
多くの研究では、食器や容器などから飲食物に移行し、人の体内に取り込まれてしまうことが分かっています。
ネズミでの実験ではありますが、BPAが溶けた飲み物を飲んだネズミではテストステロンが低下しているとの結果が出ました。
ちなみに、精子の質も低下していたとの結果もあるので、妊活を控えている男性にとってはかなり致命的な可能性があるので注意したいところです。
ちなみに、女性ホルモンに似た働きをする大豆製品やイソフラボンに関しては、テストステロンレベルに影響はないとの報告があるので、安心してくださいね。[出典]
7.飲酒量を抑える
男性の中には、毎日の晩酌が楽しみだという方もいるのではないでしょうか?
もし、お酒をよく飲むなら飲酒量を抑えるようにしましょう。
アルコールとテストステロンにも関係があり、過剰な飲酒がテストステロン低下につながるとの見解もあります。[出典]
飲酒してから30分後には、テストステロンが減少し始めるそう。
また、過剰な飲酒の継続は睾丸の働き低下やサイズが小さくなるといったことも報告されているため、飲酒のしすぎは禁物。
日本では、純アルコール20gあたりをお酒の1単位としており、3単位以上飲むと多量飲酒となります。[出典]
1日のストレス解消のために晩酌を楽しんでいるかもしれませんが、妊活成功のためと思って徐々にでもお酒の量を減らしていくのがいいでしょう。
8.特定の栄養素が不足しないように食事を意識
テストステロンを生成するためには栄養バランスに気を付けることが大切だと前項で紹介しましたね。
3大栄養素だけ気を付けていたら基礎ビタミンや基礎ミネラルが不足していた、なんてこともあるので注意が必要です!
例えば、先程も紹介したビタミンD。
ビタミンDが低下するとテストステロンの低下にも影響を及ぼすことがわかっているため、不足はさせたくないビタミンの1つですね。[出典]
また、男性には特に必要と言われる亜鉛も摂取しておきたいところ。
亜鉛欠乏はテストステロンの低下を引き起こすことに関係しているため、亜鉛不足がLOHの要因ともされているそう。
実際に、アメリカ・ウェイン州立大学医学部内科で行われた研究では、高齢男性に6か月間十分に亜鉛を摂取させたところ、テストステロン値が有意に増加したとの結果が報告されています。[出典]
ただし、亜鉛は過剰摂取を続けると頭痛などの不調がでることも。
亜鉛の推奨量10mg。
対して、日本人が食事から摂取する亜鉛の量は8mg程度とされています。
なので、サプリと食事を合わせて10mg〜20mgを目安に摂取するといいでしょう。
その他、マグネシウムなどの摂取もおすすめします。
マグネシウムは体内で起こる全ての代謝に使われる栄養素。
十分にマグネシウムを摂取し続けることでテストステロンが増加することもわかっています。[出典]
ミネラルやビタミンは体を正常に保つためにも大切な栄養素なので、食事に加えてサプリなどでも摂取していきたいですね。
9.痩せすぎず太りすぎず理想的な体重を維持
いきなりですが、皆さんが思う魅力的な男性とはどんな方でしょうか?
誰しもが想像するのは、肉付きが良く体型もかっこよい男性ではないですか?
実はその通りで、体型もテストステロンに関係しています。
一般的に、肥満だとテストステロンが減少すると言われているんですね。
理由としては、酸化ストレスによって男性ホルモンを作るライディッヒ細胞に負担がかかり、テストステロンの分泌が減ってしまうから。
または、肥満によって引き起こされるインスリン抵抗性により、性ホルモン結合グロブリンの減少することでテストステロンも低下してしまうことも理由に挙げられます。
ただ、肥満がテストステロン低下を引き起こすことがわかっても、どうやって肥満だと判断すればいいのでしょう?
簡単なのは、体格指数であるBMIを使う方法。
BMIとは、体重を身長で割った数値で、計算式は【体重(㎏)÷身長の2乗(m²)】(身長はmで計算するので間違えないように!)
理想的なBMIは標準値である20~22。
でも、実際に計算してみると多くの人は30歳を超えるとBMI25ほどになり、肥満体型との結果が出てしまう人が非常に多くなるんですね。
肥満でもテストステロン値に影響がでてしまうため、運動や食生活の改善などで適切なBMIを保てるようにしましょう。
10.+αの成分をサプリで摂取
最後に紹介するテストステロンを高める方法は、サプリメントを使うこと!
実は、テストステロンもサプリメントを使うことで高めることが期待できるんです!
これまでも、テストステロンの増加を助けるための栄養については紹介してきました。
ですが、テストステロン自体を直接増やす食材というのはお目にかかれません。
しかし、世の中にはテストステロンを増やすとの学術的な根拠が認められている成分もあり、それらを配合したサプリもたくさんあります。
有力な成分の例では、LJ100やテストフェン、プリマビエ、テスノアなど。
これらは、学術的な根拠が認められているだけでなく、特許や商標まで取得している高品質な成分なのです。
おそらく、テストステロンのサプリを飲んだことがない人では聞いたことがないですよね。
馴染みもないだけに、普段の食生活から摂取なんて到底難しい…。
今まで紹介してきた9つの方法に加えてテストステロンを増やすサプリを飲む、ということが効果的にテストステロンを高める最有力な方法と言えるでしょう。
是非とも、テストステロンを高めるサプリも上手に使って計画的に妊活に取り組んでほしいと思います。
まとめ
今回は、男性妊活へのテストステロンの重要性に加えて、増やす方法を具体的に10選紹介してきました。
テストステロンは精子の質にも直接的に影響する男性ホルモンですが、加齢とともに勝手に低下してしまいます。
ですが、良い習慣を継続することである程度テストステロンレベルの低下を止めることができると言えます。
むしろ、低下を引き留めるための健康的な生活習慣といっても過言ではありません。
男性妊活を成功させるためにも基本的な健康生活の実現を徹底し、その上でサプリメントなどを+αとして使っていきましょう。
逆に最初からサプリメントを使用して並行して健康的な生活習慣を作り挙げていくのも効果的です。
是非とも、自分に合ったやり方で取り組んでみてくださいね。